終わりなき今は光に溢れて

一日中、迷った挙句、昨夜電話を折り返した。

一昨日の深夜に、「もう俺ダメだ」と一言伝えるだけに2分以上かけた留守電が、旧来の友人から入っていた。

ここ数年、連絡は一切取り合ってなかったし、急な連絡に驚いたのと、気になってるけど、今の僕に他人を救ってあげるパワーがあるのかと迷ったのもあり、すぐには折り返さなかった。

電話してみたら、何ともないどころか、ほろ酔いでいい感じで、しっちゃかめっちゃかな内容を話すじゃないか。

イントロクイズと称して懐メロをステレオからかけたり、いま一番好きな作家をせーので言おうって持ちかけたり。

あの頃と何も変わらない。

安心したじゃないか。

 

一つだけ新しかったのは、M-1の話ができたこと。

彼は大笑いしたという。

レベルの高い大会だったね、と共鳴する。

 

と話しているのも束の間、太宰治の作品の一節を思い出した、と朗読しだした。

「とんだ文学青年だな!」とつっこんだ。

「お前もそうだろ!」と返された。

一晩経った今でも、そのやり取りが、優しく僕を包み込んでいる。