破れた夜空と夢とあの日お前とした約束
五分五分まで落ち着いた。
僕は今朝から無性にハンバーガーを食べたくて、食べたくて、どうしようもない衝動に駆られていたのである。
アメリカンで、ワイルドな奴だ。
ソースに関して言えば、日常生活ではまず口にすることのないような味で、頬張れば頬張る程、口の周りに赤茶色のそれがべっとりと付きまとう。
以前、何度も食べた店に、ガタゴトと電車で行こうと思えば、行ける。
身体や財布に優しくないのも承知だが、欲望のままに、思うがままに、人生を突き進めばいい。
それが我が人生、と口上述べた辺りで、ふと気付く。
僕は、欲望に打ち負かされているだけじゃないか?
負けた気分で頬張るハンバーガーに価値はあるのか?
この問いに関して、僕は一旦保留した。
なすべき仕事を、またしなくてもいいけどやっておいた方がよい事をして、正常の感覚を取り戻そうとした。
また、友人に連絡を取って、僕はハンバーガーを食べるべきか?といったセカンドオピニオンもしてもらった。
この8時間で、食べるべきか、食べぬべきか、五分五分まで落ち着いた。
日が暮れる頃だ。
僕のこの衝動も暮れていけば、それは克己心とも呼べるかもしれない。