立ち上がれ死んでも譲れないものがある
494番。
僕の手元にある番号札である。
しかし、呼ばれているのは470番。
既に20分は待っているのだが、IKKOに進まず苛立ちが顔を覗かせる。
正面の大画面テレビでは、料理番組が無音で映し出されている。
手際よく材料を裁く料理人のように、この場も進捗してもらいたいものだが。
気晴らしに、喫煙所に行って来ても、まだ時間に余裕があるんじゃないか。
そして、僕はいつ呼ばれるか少し不安なまま、喫煙所に向かうのだった。
日常に潜む些細なギャンブルだとか言ってみながら。