Nothing’s Gonna Change
大槻ケンヂさんが2006年に書いた「リンダリンダラバーソール」。
偶然にも入った古書店で、ワゴンの中から見つけた。
色褪せた青春を発掘した気分である。
発売当時、読んだことがあった。
その時の感触を思い出しながら読み終えた。
舞台は、90年代初頭のバンドブームの真っ只中。
オーケンさんの独自の目線で当時の様子や出会った人々について、エッセイ調に書かれている。
青臭くって、照れ臭くなるのは、身を削って体験したことを踏まえた文章だからだろう。
ヒロインのコマコがいい子過ぎるのと、ピエール瀧さんのエピソードが印象的だ。
誰もが、人生において、追い風のような時期もあり、はたまた向かい風に遭遇することもあるだろう。
僕は、追い風のときには無意識に調子のいい感じをアピールしているし、向かい風のときには死にそうな顔をして過ごしてる一人だ。
バンドブームの浮き沈みに比べたら、大したものじゃないのだが。
X、ジュンスカ、民生、ブルーハーツ、有頂天、人生、ばちかぶり、カブキロックス、人間椅子、それ以外にもたくさんのバンドと人間の生きた証が詰め込まれた一冊。
誰もがもがき苦しみ、幸せを掴み取ろうと必死なんだと、僕は思った。
さて、晩飯を作ろう。